2014.08.06(Wed)

四月、実家の目の前の女子校には桜が満開になる、新しい生活が始まる時に、窓からの景色は桃色になる。
春が来たことの代名詞としての花は、彼女達を包み込むようにのみこんで、新しさを当たり前に変えていく。
毎年毎年繰り返す桜の季節は、彼女達と僕の距離を近づけて遠ざけていって、見えなくする。
桜は、彼女達の輪郭をぼかしてしまう。
ずっと開けたままの窓からはピンク色の花びらと、時々少女と目が合う。

僕は無駄だとわかっていても願う。僕の声は彼女達に聞こえないし、家は空家だと思われている。

大人にならないでくれ、頼むから。
一生出られない窓から僕は、


ぐるてんに使うぶんしょう

2014.08.02(Sat)

論ずるということを、君としていた。

国語の教科書に乗っていた、ぼくらのトラウマになっている少年の時の日々のように、寝る前のベッドの中で大切なものを親指で潰していくのだ。大切なものを親指潰す行為は、僕らの頭の細胞も潰して行った。アイフォンの画面に指を滑らせる君の指をもぎとりたかった。僕らはいつから声を出さなくなったんだい。

教授が言ってたことを思い出す。電子レンジであっためたものは食べるなよ。電気というものに細胞が殺されてるんだ。君がたべてるのは殺された細胞の死骸だぞ。得意気だった老人の話を聴いていた学生はいたのだろうか。
僕の頭の端に残っていたことから察するに僕には何か伝わりましたよ、教授。今三年の僕が、一年の時にあったきり、あなたがどこにいったのかまるでわかりませんけど。

論じる。題が無くなったあと、ポイする君が手に持っている端末を捨てられたらいいのに。
気持ち悪い電気にのまれて、君はぼくを見てくれなくなるんだね。

しったこっちゃないはずなんだけど、言葉が腐っていく過程をみてるよ