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あい

2013.10.28(Mon)

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があれば、私の嘔吐癖は治ると言ったいしゃがいたのです。

あいが何だかわからない私にとって、知りえることはあいのカタチは人それぞれだということでした。実際そうはいうけれども、私のあいとは何なのでしょうか。
大学の頃から考えはじめまして、被虐的になってみたり、加虐的になってみたり、私はあいがわからなくなりました。ひとまず一通り考えて思ったことは、あいは気持ち悪いものだということでした。
被虐的、すなわち自分を抑えることであいというのならば、そもそも相手に尽くさなければなりません。私はそこで尽くしたってどうにもならないことを学びました。ただただ、精神と金銭を消費していくだけ、相手に尽くしているのに、寄生されている気分になります。嘔吐しそうでたまらないのです。
加虐的、すなわち自分を曝け出すことをあいというのならば、私は相手をころしてしまいそうになるのです。
いつまで一緒にいられるのかなぁ、などと考えれば、未来を想像するのが怖くなり、相手を刺しそうになり、相手が先にしぬことを考えれば毒を飲みたくなるのです。

結局私はあいがあっても嘔吐をやめることが出来ませんでしたし、この脳を変えることは出来ませんでした。
あいなどなくても処方される薬と、意識があれば生きていけると学んだあいでした。
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つまるところ

2013.10.26(Sat)

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つまるところ、私はあの子が好きなのだ。凹凸が違うから何も生み出せないけど、私はあの子が好きなのだ。
つまるところ、私はあの子に性的欲求をともなう好意を抱いているのだ。しかしどうしようもないこともある。
したためる手記には、あの子の事を思って書いた言葉が紙の上をぐるぐると泳いでいる。
好きです。愛しています。そんな直球な言葉から、とても人には言えない言葉まで。


あなたを好きになってから、私の見る景色はがらっと変わりました。鮮明に色づき、生きる希望を与えました。
はやくあなたにこの気持ちを伝えたい。あなたに会いに行きたい、そんな気持ちでこの手紙を書きました。


これじゃあくさすぎるかなあ、なんてことを思いながら、屋上で時を待ちます

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金木犀

2013.10.26(Sat)

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嫌だ、嫌だよ。って泣きじゃくる女の扱いはどうすればいいんだっけ、と2本のアイスバーを両手にもちながら考える。はぁ、と気づかれないように溜息をついてやさしく「どうしたの?」と聞く。名前も思い出せない女だが、ここで騒がれると困る。うちの壁は薄いから隣に響きやすいんだ。

「別れたくないよお。としくん」

目玉に水を張りすぎたみたいな感じの女がなんか言っているが、俺にはよくわからない言葉だった。別れる、別れない。どういうことだろうか。まず、この女と俺は付き合っていたのかさえ怪しいところだぞ。

「としくぅん」

犬かなんかか俺は。とひとり毒づきながら、女の髪の毛をなでる。その間俺は何も言わない。

「もうあいつに会いになんていかないからぁ」

あいつが誰だかもわかんねえよ。ていうかお前の名前もわかんねえよ。




こういう女が多すぎて困る。とりあえず家に呼ぶのは避けてたのに、ホテルからの帰りをつけてたらしいこの女は、しばらく連絡してなかったら捨てられたと思ったらしい。っていうかお前とはつきあってねーよ。という突っ込みはしないでおく。こいつとセフレだったってことは覚えているのに、なぜか名前が思い出せない。俺も最低な男だなーと俯瞰した目線でおもいつつ、へましたなーと自分の用心の甘さに反省した。


「」

口が勝手に動いてる、俺はこの女に何か言っている。なぜ自分の声が聞こえないんだ?

「」


また俺が何か言った。女が騒ぎ出す。とうとう女の声も聴きとれなくなった。俺が俺じゃないみたいだ。
うろたえていると、女が鞄から一瞬光ったものを取り出した。また一瞬で、俺の体であろうものに突き刺す。
痛みはない。というか俺の目線じゃあない。女と俺と、俺。ちょっと意味がわからない。
女に刺された俺。血が止まらない俺。多分叫んでいるであろう女。ちょっとずつ見覚えがある。と思ったその時に、思案している時間もなく、俺の意識はロケットの発射のように上へ昇っていく。

上へ昇っていく間に俺はいろいろと思い出していた。




走馬灯ってこんなんだったのか、と。






「痴情のもつれでの殺人事件って怖いよなあ。」

「自分のものにならないなら殺しちゃおうって考えすげえよなあ。」







最後に、遠くで聞こえる男子高校生の声に気をつけろよって言いたかったなあ。


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冷えた

2013.10.15(Tue)

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こくこくと変わっていく街なみに変わらない本屋兼喫茶店があった。私は毎日のようにそこへ入り浸り、本を読むふりをしつつ、オレンジジュースを飲んでいた。

よく知らないが、落ち着くおんがくが流れ、来る人間は皆同様にそれぞれの役割をこなしている。

見渡せばそんなに広くない店内に大学の同級生を見つけた。話しかけはしないけど、なかなか整った顔をしているこであり、何かと注目されていた。


おまちどうさま、という声と共に私のテーブルにケーキが運ばれてきた。とても優雅な時間だ。しかし、とてもつまらない。気持ち悪い。吐き気がする。なんならあの同級生に今すぐキスをしてみようか。




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すできす

2013.10.03(Thu)

『散文』 Comment(0)Trackback(0)
きっと、多分、という曖昧な表現をすればするほど、正確性が増してくる時もある。今振り返って、多分自分勝手だったなーとか、あれきっと好きだったなーとか。思い返すものは大体そういうものだろう。

冷蔵庫の振動を電波として受け止めながら思う。

すできす

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