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本心 手紙 綺麗事

2014.01.02(Thu)

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こんにちは、手紙の作法を知らないから、こんな書き出しになっちゃってごめんね。

あれからいくつきか経ちました。私は貴方が元気かどうかがずっと気になっていました。
私は貴方をわかっていなかったのだろうなと、今更ながらに思います。
貴方はいつでも私を理解しようとしてくれていたのにもかかわらず、自分の体調を理由にして、離れてしまいました。
ひどく、貴方と話しをしたい気持ちになりました。ですが、もうそれは叶いません。
貴方も望んでいないでしょうし、私もきっと何も話せなくなってしまうでしょう。
貴方の真心は、私にたくさんの見えないものを残してくれました。
一緒にいると、いかに自分が愚かで汚いかと自己嫌悪に陥ったり、あなたの気持ちの大きさに嫌悪を示してしまったこともありました。今思い出しても、自分の幼さに胸が痛くなります。

貴方と離れてから、私は頼れる人が居なくなってしまいました。
盲目だったのです、貴方に。

これがとても危ないことだとわかったので、私は気の許せる友人を探しています。
それでも、やはり貴方以上に私を理解してくれてる人はいませんでした。

私には、乗り越えなければならないことがたくさんあります。
貴方に背負わせたくない、と言ったら綺麗事でしょうか。
私の病気はとても厄介で、あなたを傷つけ続けます。
あの時も貴方を傷付け、自己嫌悪しました。自分ではどうにもできないのです。
わかってくれてる貴方を傷付け、私は安心感を得ていたのでしょうか。

とても嫌な人間です。

離れた今、貴方に幸せになってもらいたいと強く願います。
私は一緒に居ないでしょうが、人づてだったとしても報せを聞きたいと思います。

都合のいいことばかりを言ってすみません。
苦しかった期間が長かった分貴方は必ず幸せになれるのです。
私をのような汚い人間と、一緒に居るべきではないのです。

最後に、辛かったこともありましたが、一緒に居ることが出来て、愛情を一身に受けることが出来て、とても幸せでした。
では、また機会があればお会しましょう。
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映画の話

2013.12.17(Tue)

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あの映画の監督がさ、また新しいの撮ったんだってよ





その場でアイフォンを使って調べた。ああ、ほんとうだ。私の心は、はずんで仕方なかった。しかしそれも一瞬で陰りを持つ。どうせ、行けないのだろう、と。

私には適応出来ない空間があるのだ。電車であったり、エレベーターであったり、バスであったり。まあ、こうなってしまったからにはしょうがないのだけど。映画館もまたそのひとつである。

悔しいなぁ、とひとりごちた。DVDが出るまで、いや、今はブルーレイか。待たなくてはならない。あぁ、もどかしい。私はなぜ怖くなってしまったのだろう。ずっと、ずっとわからないままなのである。かかっている医師には、きっかけがわかれば治しやすいんだけどねぇ、と言われたが、自分の中にまったくもって心当たりがないのだ。憂鬱な気分を引き連れて家に帰ろうとした、その時だった。


さなだ、今日ひま?

同じ学科の沢城だった。ひまって言ったらひま。でも出掛けるのは無理。と言うとすこし悲しい顔をした。だが、これはわたしにもどうしようもないことなのだ。

なあ、さなだって、パニック障害ってやつなの?

誰に聞いたのだろう。まあ私が頑なに電車に乗ろうとしないあたり、中途半端な知識を持ったやつがこいつに吹き込んだか、こいつが自分で、考えたのだろう。

そうだとしたらさ、どうするの?

あんたはもう私を誘わなければいい。入学してからずっと、沢城は私に構ってくれてきた。あの監督の作品だって一緒にDVDで見てくれた。そろそろ、全てを話して、離れてもしょうがないのかもしれない。

おれさ、さなだといろんなとこ行きたいんだ。
でもさ、お前がそう思われるのも苦しくなるって、調べて知って、
お前と一緒にいるにはどうしたらいいのかなって、ばかなりに考えたんだ。
おれ、さなだが好きだから、お前と一緒に

ここで沢城は口を噤んだ。好意をもってもらつているのはわかっていたが、ライクじゃなくて、ラブだったのか。
内心、どうすればいいのかわからなかった。こいつも多分一緒だろう。だったら話は早いのかもしれない。

あのさあ、沢城。

いや、あの、ごめん…、さなだ。

謝んないでよ。あんたが、私を好きって言ってくれて私は嬉しいし、一緒に居たいって思うよ。

沢城の目が少しずつうるむ

私は、電車に乗れないから、あんたとお出掛けもまともに出来ない。ましてや、精神が不安定だから、あんたをたくさん傷付ける。身体に傷だってある。それでも、


おれはさなだがいいんだ。さなだが好きなんだ。


この言葉を私はずっと待っていた。

あの監督の映画のワンシーンを思い出す。
主人公の男性が、娼婦だったヒロインに言うのだ。

俺は君がいいんだ。君が、好きなんだ。

そっくりそのままじゃねえか。沢城の足りない頭で考えた咄嗟の台詞だったが、悪いものじゃない。いや、最高かな。

グズグズも鼻を鳴らしている沢城はとても愛おしい。まっすぐで、これから自分がどんなに傷付けられるのか分かっていない。私もある程度は傷つくのだろうけど。たまらなくなって、私は沢城の手に触れようと、距離を縮めた。


おーーいさわしろーーー

沢城の友達が呼んでいる。そういえばここはまだ講義室だったことを再認識する。
顔が赤くなるのを感じた。

あっ、さなだっ、おれっ

はやく行ってきなよ。待ってるから。

早くいけ、と手でしっしっ!とすると沢城は私の手をぐっとひっぱり、キスをした。
いきなりのことで言葉が出ない。


沢城の友達がどよめく。思ったよりも沢城の力は強く、胸を押しても離れることはできない。
何秒かわからなかったが、口を離された時にお互い少し息が上がっていた。


おれ、さなだのこと、ちゃんと好きだし、でんしゃだって乗りたくなったら練習付き合うし、安心出来るそんざいになれるようにがんばるから

わかった、わかった、もう私は何も言えなかった。涙で顔がぐしゃぐしゃになっているのは分かっていた。


沢城は、私をぎゅう、と抱き締めてそのまま歩き出す。顔を押し付けられてるため、どこに行ってるのかもわからない。足がもつれないようにすることに必死だった。


さわしろ、やるじゃん!
おめでと!その子?
なんで抱き締めてんの?あてつけ?

何か周りで言っているようだったが、あまり聞こえない。なされるがままにしていると、


おれの、だいじなひと!!さなだまき!よろしくね!!

なんてでかい声でいうもんだから、とりあえず一発殴ってやった。沢城の友人達は爆笑していたが、私は噴死しそうなくらい恥ずかしかった。耳まで赤くしている私を見て、沢城は、にまっと笑ってまた私の手をとって喋り出す。

さなだは、おれのだいじな人。みんなに教えたかった。

やっぱり沢城はばかだった。それでもいいと思う私は重症なのだろう。
とりあえず、見たかった映画も、こいつと見れるのなら、DVDでも、ブルーレイでもなんでもいいと思えた。いつか映画館に二人で行けたらいいのだけど、それはまた別の楽しみにしておこう。

沢城、私あんたのことわりと好きだよ。

そう言って背伸びして無理にキスすると、周りなんて気にならず、さわしろのばかみたいな笑顔で視界がいっぱいになって、私は、また泣きそうになったのだった。


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胸がぎゅっとなる

2013.12.15(Sun)

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音楽を聞いていたんです。そしたら、すごく胸がぎゅっとなってしまって、これは病気なのでしょうか。
音が不快だったわけではないんです、むしろここちよくて、私はこの音に、声に、空気に、出会うべくして出会った、なんてことまで考えてしまって、胃の中にぐうん、と何かが貯まっていく感じがして、吐き出せなかった言葉や、涙を、意味のある言葉なんて使わないで、私に出させてしまうんです。でも、私は音と戦ってしまって、どうしても吐き出せないのです。そうすると胸がぎゅっと苦しくなってしまって、私が求めていた音というか、私が求めていた生活が、そのまんま音になってしまっていて、とても苦しく、もどかしいのです。私は今なにを、しているのだろうって、先生ならわかっていただけると思って、話をしにきたのです。私の6年間を見てきていただいた先生なら、私が今何をすれば胸の苦しみから解き放たれるのでしょうか。






とりあえず、そのアーティストのCD全部買って、全部聞いて、おでかけでもすればいいんじゃないかな。
寒いけど、気持ちいい晴れが続くよ。
君が苦手な電車にだってきっと乗れるさ、人ごみだって優しい気持ちになれる。
怖いなんて気持ちだってなくなるかもしれないよ。君はそういうものに出会えたんだね、やっとこさスタートラインに立てたとこだよ。きっと、いや、絶対バスにだって乗れるようになるさ。君が今流そうとしている涙は我慢すべきじゃないんだよ。心をリセットするための涙なんだ。だからほら、好きにすればいい。










私の中の大きな瘤が苦しいって言ってる。もうさよならしなきゃいけない。瘤の中には私の辛かったことが入っていて、口に出せないことや、我慢してきたこと、誰にもはなせないいま現在想っている人のこと、全部大事にしすぎてたんだ。全部忘れたいなんて言えないけど、そろそろ取ってあげないと、もうおなかいっぱいになっちゃってるから。




先生、手術をお願いできますか。

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生産性のない好意

2013.12.08(Sun)

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ベクトルがお互いに交えることのない関係にしてしまったのは私の方からだった。
このなぁなぁな関係はいつまで続くのだろう。いや、続けてもらえるのだろう。
きっとあの子にとって、私は体のいい遊び相手なのだ。そりゃあそうだ。あのこはこっちの人間じゃない。
男をすきになって、突っ込まれて喘いで、それを愛しあう行為とし、結晶を産むのだ。
私とあの子では、けして出来ない結晶だ。

しかし、私はそれでいいと思っている。私が女しか愛せないのは昔からだし、そんなに悲観することじゃあない。
何が悪いって?何も悪くないんですってば。そんなことに悩む時期はもう過ぎたのだ。男になりたいわけでもないから、私はあの子の気まぐれが続いてくれるのをそわそわしながら甘受するのだ。いつ別れを切り出されるのか。この意味のない愛し合いを辞めようとか、傷を浅くするためには早めに言って欲しいところだったが、もう付き合って3年経ってしまった今、ダメージは結構なものになるだろう。それはそれでしかたのないことだ。

看護婦さんが言っていた言葉を思い出した。一瞬で消えちゃったけど。

わかれよ、って早く。きみが嫌悪しはじめる前に、私を拒絶するまえに、気まぐれをはやく溶いて、薬を飲むように飲み込んでしまってほしい。泣いてなんかいないのよ。諦めの悪い女でごめんって思ってるのよ。
あいしていたわ、三年間。

結婚おめでとう。

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こじらせただれ女子

2013.11.25(Mon)

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どこに転がっているのかわからないファンタジーな少女漫画を読んでため息をつくくらいにはこじれています。
処女なんてとっくのとうに捨ててしまった自分の身体の価値を本気で考えて、身体の価値て、あいたたたーってなる。非処女がなんだっていうんだって話なんです。いや、違うけど。
何回かセックスをしただけで悟った気になって昔の自分と照らし合わせて絶望に酔う。自分が嫌いな女に、自分が今なっていると気付いた。まあ、この時点でもう遅いのだけれど。
1人のベッドで思うことはたくさんある。いい年した女がただなんとなく働いて、なんとなくなあなあな関係の男と寝て。あーなにやってんだろうなあって。まあいいんだけどね。きもちよけりゃあ。


私の思うこじらせ女子と、なんか違うものを混ぜました。

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